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TV会議 論文紹介セミナー 09
スケジュールと担当
第6回日時:4/13(月)10:30-12:00
発表者:嶌生有理(名大・M2) 発表スライド 論文タイトル: Ejecta from impacts at 0.2–2.3 m/s in low gravity Icarus, Volume 195, Issue 2, June 2008, Pages 908-917 Joshua E. Colwell, Stein Sture, Mark Cintala, Dan Durda, Amanda Hendrix, Tyler Goudie, Darren Curtis, Daniel J. Ashcom, Matthew Kanter, Thomas Keohane, Andreas Lemos, Michael Lupton, Matthew Route 要旨: 惑星リングでは低重力下でダストをまとった粒子が10m/s以下で衝突する。 そこで本研究では航空機による低重力下でのダスト層への低速度衝突実験を行った。 結果、破片速度は衝突エネルギーの約0.5乗に比例し、定性的な破片質量も増加したが、低速度域では加速度が不安定なためばらつきが大きかった。 第7回日時:5/26(火)10:30-12:00
<15分発表> 担当者:黒澤耕介(東大・D3) 発表スライド <論文紹介> 発表者:鎌田俊一(東大・M2) 発表スライド 論文タイトル: Lunar Multiring Basins and the Cratering Process, M. Wieczorek and R. Phillips (1999), Icarus, 139, 246-259 要旨: 月探査により得られた地形・重力場データから、月の多重リング盆地下のモホ面は、周囲と比較して上昇していると思われている。 これは、衝突により地殻物質が剥ぎ取られた後、マントルがリバウンドしたためと考えられている。 そこで本研究では、衝突前はモホ面は平らだったと仮定して、地殻厚を固定したまま地形を押し下げることによってExcavation cavityを推定した。 この復元されたExcavation cavity の深さ直径比などに着目し、月多重リング盆地の形成メカニズムについて議論する。 第8回日時:6/23(火)10:30-12:00
<15分発表> 担当者:瀬藤真人(神大・D3) 発表スライド <論文紹介> 発表者:町井渚(神大・D1) 発表スライド 論文タイトル: THE PHYSICS OF PROTOPLANETESIMAL DUST AGGLOMERATES. II. LOW-VELOCITY COLLISION PROPERTIES, Dorren Langkowski, Jens Teiser, and Jurgen Brum The Astrophysical Journal, 675, 764-776, 2008 要旨: 衝突速度が1m/sあたりでのダストアグリゲイト同士の衝突の振る舞いはよくわかっていない. そこで衝突速度0.1-3m/sの範囲において、ミリメーターサイズの高空隙率ダストアグリゲイトを同質のターゲット(直径2.5cm)に衝突させる実験を微小重力下で行った. サブミリメーターサイズのダストアグリゲイトは、ターゲットにくっつくが、ミリメーターサイズのアグリゲイトは衝突速度が速いとき、衝突角が小さいときにはくっつきにくいという結果を得た. 第9回日時:9/3(木)10:30-12:00
<15分発表> 担当者:保井みなみ(名大・D2) 発表スライド <論文紹介> 発表者:桂 武邦(神大・M1) 発表スライド 論文1 タイトル: Iron meteorites as remnants of planetesimals formed in the terrestrial planet region, William F. Bottke, David Nesvorny, Rovert E. Grimm, Alessandro Morbidelli, and David P. O'Brien Nature, vol.439, 821-824, 2006. 要旨: 鉄隕石は分化した天体の核の破片であり、母天体はメインベルトで形成したと考えられているが、母天体のサイズや形成年代の事実と矛盾する点もある。そこで本研究では鉄隕石母天体は実は地球型惑星領域で形成された後メインベルトに散乱していったと考え、0.5~3AUでの軌道変化の数値シミュレーションを行った。その結果、摂動や共鳴、衝突によってメインベルト領域に侵入する物体が見られた。 論文2 タイトル: Contamination of the asteroid belt by primordial trans-Neptunian objects Harold F. Levison, William F. Bottke, Mathieu Gounelle, Alessandro Morbidelli, David Nesvorny and Kleomenis Tsiganis, Nature, vol.460, 364-366, 2009. 要旨: メインベルトは始原的な氷岩石の混合物から火成の岩石まで驚くほど多様な天体を含んでいる。本研究では巨大惑星軌道の力学変化によって原始TNOsがメインベルトへ侵入したのだと推測し、巨大惑星軌道進化時の原始彗星円盤で形成された天体の力学進化をシミュレーションでたどった。その結果、多くの天体がトロヤ軌道か木星軌道に捕えられ、メインベルトへ侵入するものも見られた。 第10回日時:10/13(火)10:00-12:00
<15分発表> 担当者:豊田丈典(東大・D1) 発表スライド <論文紹介> 発表者:中村圭佑(東大・M2) 発表スライド 論文タイトル: Extraterrestrial Flux of Potentially Prebiotic C, N, and P to the Early Earth, Matthew Pasek & Dante Lauretta, Life Evol Biosph, 38, 5-21, 2008 要旨: 40-38億年前に起きたと考えられるheavy bombardmentにおける隕石、彗星の衝突は生命の起源物質となるC、N、Pの十分な供給源になったかもしれない。 本論文では衝突により無生物的に生成されたC、N、P量を見積もり、Irフラックスとの相関をとる。 また、生命起源物質の維持への大気の影響も見積もる。 第11回日時:11/24(火)10:00-12:00
<15分発表> 担当者:寺居 剛(神大・D2) 発表スライド <論文紹介> 発表者:高沢 晋(神大・M1) 発表スライド 論文タイトル: Abundant Circumstellar Silica Dust and SiO Gas Created by a Giant Hypervelocity Collision in the 〜12 Myr HD172555 System, S C. M. Lisse, C. H. Chen, M. C. Wyatt, A. Morlok, I. Song, G. Bryden, and P. Sheehan, The Astrophysical Journal, 701:2019-2032, 2009 要旨: 強い赤外線放射により検出されたHD172555(がか座β星のグループ)の星周塵には他とは違った特徴がある。中間赤外域のスペクトルの特徴を用いて、塵の主成分やその量、存在する場所などを見積もる。また、星周塵の供給源として大きな岩石質天体の超高速度衝突が挙げられる。 第12回日時:12/15(火)10:00-12:00
<15分発表> 担当者:町井 渚(神大・D1) 発表スライド <論文紹介> 発表者:福崎 翔(東大・M2) 発表スライド 論文タイトル: I.D.S. Grey and M.J. Burchell Hypervelocity impact craters in ammonia rich ice Icarus 168 (2004) 467-474. 要旨: 氷天体への衝突に伴うクレーター形成プロセスはこれまで多くの場合、純H2O iceへの衝突実験によって調査されてきた。 しかし、本来氷天体にはアンモニア等他の化学種が含まれており、それらの化学種のクレーター形成に対する効果は無視できないはずである。 本研究では、太陽系外側天体の地殻・マントルを構成しうるNH3-H2O iceへの衝突実験を行いNH3の混合比によるクレーターの形状変化について調査する。 第13回日時:1/19(火)10:00-12:00
<15分発表> お休み <論文紹介> 発表者:長勇一郎(東大・M1) 発表スライド 論文タイトル: G. A. Morgan & J. W. Head III Sinton crater, Mars: Evidence for impact into plateau icefield and melting to produce valley networks at the Hesperian-Amazonian boundary Icarus 202 (2009) 39-59 要旨: 火星の二分性境界付近に位置するSintonクレーターの周囲にはvalley networkと呼ばれる流水地形が発達している。 本論文ではそれらの分布を詳細に調べ、流水量および形成時期を推定した。 その結果、Sintonクレーターを形成した衝突が表層に堆積していた氷を溶かすことで、これらのvalley networkが形成されたことが示唆された。 この結果により、天体衝突は火星の流水地形を形成する原因になる得ることが実証された。 |
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