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トップページ > 衝突研究会 > 論文紹介セミナー10

TV会議 論文紹介セミナー 10

スケジュールと担当

  • 論文紹介
    • 第20回 11/01/13(木)16:45-18:15 東大・羽村
    • 第19回 10/12/09(木)16:30-18:00 神大・羽倉 / 神大・高沢
    • 第18回 10/10/21(木)16:30-18:00 東大・洪
    • 第17回 10/09/21(火)16:30-18:00 阪大・新居見
    • 第16回 10/07/01(木)16:30-18:00 神大・高部 / 神大・桂
    • 第15回 10/06/10(木)16:30-18:00 東大・岡村 / 東大・鎌田
    • 第14回 10/04/22(木)16:30-18:00 名大・藤田 / 名大・嶌生

第14回

日時:4/22(木)16:30-18:00
<15分発表>
担当者:嶌生有理(名大・D1) 発表スライド

<論文紹介>
発表者:藤田幸治(名大・M1) 発表スライド
Microgravity experiments on the collisional behavior of saturnian ring particles
Heisselmann, D; Blum, J; Fraser, HJ, et al. ICARUS, 206, 424-430, 2010
要旨: 土星の環は無数の粒子で構成されており、それらの大部分が氷の粒子であることが分光観測による観測のデータからわかっている。土星の環の進化には氷粒子同士の衝突が大きく関係しており、これまで多くの理論研究や数値シミュレーションが行われてきた。本研究では微小重力条件下での衝突実験から、土星の環で起こる低速度領域の衝突現象を探ってゆく。手法として、パラボリックフライトや落下試験塔での実験により微小重力条件を再現し、氷球やガラスビーズの集合体を用いた低速度での衝突実験を行うことで、反発係数や運動エネルギーの散逸過程を統計的に調べた。そして、本研究での実験的手法が、土星の環の粒子同士で起こる低速度衝突の研究に適していることを示す。

第15回

日時:6/10(木)16:30-18:00
<15分発表>
担当者:鎌田俊一(東大・D1) 発表スライド


<論文紹介>
発表者:岡村奈津子(東大・M2) 発表スライド

論文 (1)
Origin of the cataclysmic Late Heavy Bombardment period of the terrestrial planets
R. Gomes, H. F. Levison, K. Tsiganis and A. Morbidelli, Nature, 435, 466-469, 2005
要旨: 月面上の岩石の記録によると、クレータ形成の割合が急増したのは惑星形成から約7億年後であることを示唆している。この事象はLate Heavy Bombardment (LHB)として知られている。惑星形成理論では、太陽系の歴史において激しい微惑星衝突の期間がこんなに遅かったのかということを自然に説明することができない。そこで我々は、長期の不活発な期間を経て巨大惑星の急な移動を契機に LHBが起こることを提案する。この突発的な移動の間に、惑星の軌道外側の微惑星円盤は不安定になり、太陽系の内側へ向けて突然微惑星の質量移動が引き起こされる。小惑星帯もまた強い摂動が加えられ、これらの天体は近年の地球化学的な証拠と一致するようなLHBの衝突帯の一部を供給する。

論文 (2)
A plausible cause of the late heavy bombardment
A. Moebidelli, J-M. Petit, B. Gladman and J. Chambars Meteorit. Planet. Sci., 36, 371-380, 2001
要旨: 地球型惑星の主な集積期の末期には、1−2AUの領域内の微惑星集団の数%は、太陽系の内側に大きく傾いた軌道上に残されていることを我々は示す。この残された集団の最後の減少は、60Maのオーダーのタイムスケールでゆっくりと減衰しながら、全ての地球型惑星の広範囲にわたる爆撃によって引き起こすだろう。月面上では、盆地は直径20kmの天体によって形成され、10kmのクレーターは400mの衝突体によって形成された可能性がある。

第16回

日時:7/1(木)16:30-18:00
<15分発表>
担当者:桂武邦(神大・M2) 発表スライド


<論文紹介>
発表者:高部彩奈(神大・M2) 発表スライド

Early-stage Ejecta Velocity Distribution for Vertical Hypervelocity Impacts into Sand Brendan
Hermalyn and Peter H. Schultz, Icarus, Article in Press, Accepted Manuscript
要旨:クレーター形成現象中のメイン段階の掘削流におけるエジェクタ力学はすでに明らかにされている。特に、垂直衝突に関してはよく知られている。今回の実験研究では砂への高速度垂直衝突を行い、時間との関係を示すエジェクタ速度分布における早期で低角度の高速度な成分に関する新しい結果について述べる。

第17回

日時:9/21 (火) 16:30-18:00 *曜日にご注意ください.
<論文紹介>
発表者:新居見励(阪大・M2) 発表スライド

Penetration tracks in aerogel produced by Al2O3 spheres. Meteo. Planet. Sci. 44, 1243-1264.
Hörz, F., Cintala, M. J., See, T. H., Nakamura-Messenger, K., 2009.
要旨:超高速飛翔体の、シリカエアロジェルによる捕獲プロセスを理解するために、 コランダム球を弾丸として、0.02g/ccシリカエアロジェルへの衝突実験を行った。4km/s以上の衝突によってできるトラックは、シリンダー型の”cavity”と、先 に行くにつれて細くなる、細長い(トラック長さの80-90%を占める)”stylus”で構 成されていた。”cavity”はエアロジェルが溶けることによって形成されたもので あり、”stylus”は固体の状態で破壊されたものである。4km/sより遅い衝突速度 でできるトラックは”stylus”だけで構成されており、溶けた穴はなかった。トラックの終端に捕獲された粒子は、4km/sより遅い速度で衝突したものは、 ほぼ元の状態を保っているが、それより早い速度で衝突したものは、突入面が削 られた形をしていた。 5.2km/s でできたトラックのSEM-EDS分析で、エアロジェルメルトにAlが含ま れていたことが分かった。これは、捕獲プロセスでコランダムの融点 (2054℃)を 超える温度になっていたことを意味する。Anderson and Cherne (2008)のモデル では、同程度の条件においてエアロジェルの温度は5000K以上になる。この、粘 性加熱によって非常に熱くなったエアロジェルとの接触面で、突入粒子の溶融の ほとんどが起こると思われる。過熱されたエアロジェルに曝されている状態は、 極度の”flash heating”とみなすことができ、これは、スターダスト計画で捕獲 された彗星塵で、大きなものは外側だけが溶けて内側は元の状態を保っていた一 方、小さなものは全体が溶けていたといった事実と調和的である。

第18回

日時:10/21(木)16:30-18:00
<論文紹介>
発表者:洪 鵬(東大・M2)
発表スライド
Constraints on gas giant satellite formation from the interior sates of partially differentiated satellites
A. C. Barr & R. M. Canup, Icarus, 198, 2008.
要旨:内部が氷と岩石の均質な混合物で作られている氷衛星は、これまでの歴史にお いて ―集積エネルギーと短寿命放射性物質の壊変による内部熱が蓄積される衛 星の集積期を含めて― 分化しなかったはずである。集積と放射性物質による加 熱量を、衛星が分化する条件と関連づけて温度上昇を見積もることによって部 分的に分化した衛星の形成時期に制約を与えることができる。その際、集積時 間と原始衛星円盤の温度Tdを関数としている。もし内部が静水圧平衡にあるな らば、最も外側のガリレオ衛星であるカリストと土星の中型衛星レアは部分的 に分化していることが、地質学的な特徴と重力場観測から示されている。衛星 形成時の具体的な環境は不明であるため、我々はTdと集積時間を振って集積中 の衛星内部の温度構造を決定した。その際、インパクターは全エネルギーを地 表面付近の浅い地下に埋め込むと仮定した。これは放射冷却が最も効率良く効 くことを意味している。その結果、カリストは集積時間が60万年より長けれ ば、集積中には分化しないことがわかった。放射性物質による内部熱と集積加 熱を考慮すると、Td = 100 Kの時、カリストが未分化であるためにはCAI形成 後から約400万年より後に集積を完了しなければいけない。より温度の高い円 盤、あるいはより深くエネルギーを埋め込むことのできる、より大きなインパ クターを考えると、衛星が未分化であるためにはより長い集積時間またはより 遅い形成時期を必要とする。もしレアがゆっくりと集積したなら(10^5 ~ 10^6 年)、Td = 70 ~ 250 Kの時、未分化であるためにはCAI形成から約200万年以降 に集積を完了しなければいけない。もしレアが早く集積したなら( < 10^3 年)、Td < 190 Kでインパクターが小さいと仮定した時、未分化であるために はCAI形成から少なくとも200 ~ 700万年後に集積しなければいけない。もし衛 星が、Canup & Ward (2002)が提唱した、ゆっくりと物質が流入する円盤の中 で形成されたのであれば、前述の衛星の集積完了年代は、ガス惑星への物質の 流入がCAI形成から400万年後以降に終わったことを示唆しており、星周円盤の 観測から推測される平均的な円盤の持続時間と調和的である。

第19回

日時:12/9(木)16:30-18:00
<15分発表>
担当者:高沢晋(神大・M2) 発表スライド


<論文紹介>
発表者:羽倉 祥雄(神大・M2)
発表スライド
Itokawa's cratering record as observed by Hayabusa: Implications for its age and collisional history
P. Michel, D.P. O'Brien, S. Abe, N. Hirata, Icarus, 200, 2009.
要旨:本論文では、クレーター形成とクレーターの消滅過程について研究し、小惑星イ トカワについて、カタストロフィック破壊によってメインベルト中に形成した 時、あるいは大規模な表面形状初期化イベントを経験した時からのクレーター形 成史に基づき、年齢を見積もった。 ガスプラ、イダ、マティルド、エロスのクレーター年代の研究に適用されたモデ ルを用いて、イトカワの表面にクレーターが累積するのに必要な時間を、地震動 のように、低重力天体上でクレーター形成やクレーター消滅に影響を与え得るい くつかの過程を考慮に入れて計算した。 クレーター直径と弾丸サイズを関係付けるために、2種類の小惑星の分布モデル と2種類のスケーリング則を用いた。 小惑星の分布モデルの両方は似た結果を示し、使用したスケーリング則による と、イトカワのクレーターが累積するのに必要な時間は少なくとも~ 75 Myr 、 おそらく1 Gyr ほどである。 さらに、同じモデルにて、似たパラメタ(相応にスケールされている)を用いる と、イトカワのクレーターだけでなく、エロスのクレーターサイズ分布にも良い 一致が得られた。 エロスに関してと同様に、イトカワの小さなクレーターの欠乏は地震動による消 滅と矛盾しないけれども、イトカワに関しては、小さいクレーター(直径 < 10 m )の欠乏はただの地震動に加えて、別の過程や出来事が必要である。 イトカワのような小さい天体はその歴史の間に起こり得る出来事にとても影響を 受けやすい。 例えば、頭(head)と体(body)と呼ばれているイトカワの2つの部分はここ10万年 以内に低速度衝突によってくっ付いたかもしれない。 衝突は小さいクレーターの消滅メカニズムを与える。それに加えて、10万年以内 というタイムスケールは、現在のイトカワのとても少ない小さなクレーター(< 10 m )分布を成すためにモデル中で必要なタイムスケールに矛盾しないので、 衝突はイトカワのクレーター形成の記録と平衡地震動モデルから得られた記録と の矛盾を説明するかもしれない。 イトカワの小さいクレーターの欠乏について、表面は大きな岩(boulder)に守ら れているといったような他の解釈は無視できない。

第20回

日時:1/13(木)16:45-18:15
<論文紹介>
発表者:羽村 太雅(東大・M2) 発表スライド

A multi-wavelength study of the 2009 impact on Jupiter: Comparison of high resolution images from Gemini, Keck and HST.
Imke de Pater et al., Icarus, 210, 722-741, 2010

要旨: 2009年7月,アマチュア天文学者によって,木星に衝突痕が発見された.これを受け,HST, Keck, Geminiの大型望遠鏡を用いてUV/可視(225~924 nm),近赤外(1~5 um),中間赤外(7.7~18 um)の 波長域で集中的に観測が行われた.
その結果,大気圧10~300 mbarと、それ以上の高度の領域にそれぞれ大きくて(~0.75 um)暗い粒子と小さい(~0.1 um)物質が浮遊していることが明らかになった.各波長域で撮像した衝突痕の形状の違いからは,粒子サイズ及び爆発中に引き起こされる衝突点での密度構造,成層圏でのアンモニアガス増加と温度上昇による輝度温度上昇が確認された.
観測結果にShoemaker-Levy9彗星の木星衝突やTunguska爆発の数値計算を組み合わせると,最終到達点での爆発により生じたジェットは~700mbarの高度まで貫入し,衝突天体の貫入経路上で加熱された物質は航跡流中で凝縮,アンモニアガスを噴気中に取り込み,アン モニアと微粒子の混合物として観測されたと考えられる.
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