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秋季講演会過去の予稿集

最優秀発表賞選考経過の講評

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選考経過の講評

選考委員会委員 中本 泰史(東京工業大学)

今年度は7名の応募があり,予稿に対する予備審査の結果,7名全員を本審査対象とすることにしました。秋季講演会初日(9月12日)午前の最優秀発表賞セッションと引き続いてのポスターセッションにおいて審査対象者7名が口頭発表およびポスター発表を実施し,それに対して審査を行いました。例年同様,今年度もレベルの高い発表が多かったのですが,同日夕刻に開催した選考委員会および運営委員会において慎重に審議した結果,2016年度最優秀発表賞受賞者は兵頭龍樹さん(神戸大学,講演タイトル「多様な巨大惑星リングの形成過程について」)とすることを決定しました。

兵頭さんは,太陽系の巨大惑星(土星,天王星,海王星)に付随する衛星の形成過程と関連させながら,巨大リングの形成過程についての研究発表を行いました。後期重爆撃期において,巨大惑星は大型のカイパーベルト天体と近接遭遇すると,最近考えられています。兵頭さんは,近接遭遇する大型カイパーベルト天体が巨大惑星の潮汐力によって破壊される様子を数値シミュレーションし,大量の破片が惑星に捕獲され,大きな質量を持つリングが形成されることを示しました。さらに,その巨大リングから物質が外に流れ出て,現在見られるような特徴を持つ衛星を形成することも示唆しています。これらの成果は近年急速に発展している巨大惑星衛星系の起源に関する研究に対し重要な貢献となるものであり,極めて興味深いものです。 兵頭さんの口頭発表およびポスター発表は,研究成果とその重要性がわかりやすく紹介されており,質疑応答も明快でした。特に,研究内容に対して自信を持っていることがよく伝わる発表の際の姿勢や雰囲気は,厚みのある研究内容と相まって,説得力を一層高めるものでした。選考委員会は,こうした発表方法や技術を高く評価し,研究の到達度の高さと合わせ,兵頭さんは本賞にふさわしいと判断しました。

残念ながら今回は受賞には至りませんでしたが,他の応募者の発表にも優れたものが多数あったことは,選考委員会の一致する見解です。今年の応募者数は例年並みの数でしたが,修士課程の方からも応募があった点は,たいへん良かったと考えています。修士課程の学生のみなさんには,今後も是非,本賞に挑戦していただきたいと思います。一方で,研究内容はすばらしく発表も良いけれども,こうしたらさらに良いのではないかと思われる改善点も散見されました。たとえば,各々の研究の強みやオリジナリティなどは,口頭発表時に強調しうまく伝えるべきものです。選考委員からは,口頭発表では伝わらなかったそれらのポイントがポスター発表時のやりとりで初めて理解できた場合もあったという指摘がありました。また,いくつかの発表では,スライドの文字がもっと大きく見やすければよかったという声もありました。今回の応募者に限らず,皆さん,参考にしていただけたらと思います。

来年度以降も,学年や応募経験の有無にかかわらず,多くの学生会員からの応募を歓迎します。

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