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トップページ > ニュース > 学会賞関係のアナウンス > 選考経過の講評

選考経過の講評

2004年度選考委員会委員長 柳澤正久 (電気通信大学)

昨年10月に応募を開始しました日本惑星科学会2004年度「最優秀研究者賞」には,12月18日の応募締め切り段階で,4名の方が応募されました.

4名の方について,一次審査(論文審査)を行い,2月初めに候補を3名に絞りました.次に,この3名について,研究業績,惑星科学への寄与,将来にわたって惑星科学会の中核と成って活躍が期待できるか等を,更に詳細に審査し,2月末に審査委員の投票で1名の候補者を選びました.その結果が,運営委員会に報告され,第58回運営委員会(書面による)によってその候補者が受賞者に決定されました.

受賞者氏名:  河北秀世(かわきたひでよ)
  所属 :  群馬県立ぐんま天文台 (現在の所属は,京都産業大学・理学部)
 候補者についての意見書執筆者 :  古在由秀(群馬県立ぐんま天文台)

審査委員による評価の抜粋(一部加筆)を以下に列挙して,河北氏の紹介とします.

  • いくつかの彗星のNH2のスペクトル観測からアンモニアのオルソパラ比を精度良く求め,その平衡温度が,彗星によらず,およそ30Kであることを求めた意義は大きい.
  • この研究成果は,たまたま面白そうなものを観測して当たったというものではなく,観測結果から成果を得るまでには,独自のモデル計算など別のレベルの作業が必要で,彼なしでは得られなかったものです. 惑星科学へのインパクトも大きい.現在,短周期彗星のevolutionは,

     ?-->カイパーベルト天体-->木星族彗星-->短周期彗星

    という道筋がほぼ確定しています.?については,その場所で形成された微惑星・原始惑星,外惑星領域で形成された微惑星・原始惑星が散乱,という可能性がありますが,彼の研究は後者説を裏付けるものです.彗星のもたらす情報が太陽系の初期の始原的なものを反映していることは,多くの研究者が信じていますが,それがどの領域のものかについて直接示したことは,非常に大きな成果であると私は考えます.

    観測惑星学ではなかなか日本は世界に通じる成果を出せてこなかったのですが,彼の成果は,日本の研究の存在感を示した重要なものだと言えます.また,すばるプロジェクト全分野においても,最初の大きな成果の一つと言っても過言ではないでしょう.

  • 惑星科学を含めて多方面に波及すると予想される重要かつ国際的な成果を多くあげている.しかも,結果を出す上で必要なパラメタを自分で決定しなおして信頼度を高める姿勢は,今後の研究の独自性を持った発展の可能性を示していると考える.
  • 河北さんの研究は惑星科学よりも天文学ではないかという意見もありますが,彗星がどこで形成されたのかの情報につながる彼の成果は,太陽系の形成モデルにも制約を与える惑星科学において重要な成果だと思います.
  • アマチュア(学生ではなく会社員)という身分でありながら着実に論文を執筆してきた点や,COSPARの賞をもらうなど研究者として客観的にも十分評価されている点,現職の天文台で教育普及活動にも力を入れている点など評価すべき点は多い.彼の着目した手法により,彗星の形成温度(場所)を明らかにすることができたのは評価できる.観測は論文数が比較的多くなりえること,共著者がだいたい同じで,もう少し幅広い分野との交流(共同研究)があるとよい点など,厳しく見れば評価を下げる点も少しある.
  • 公開天文台の学芸員的立場で,毎晩のように接客をして普及教育活動に努める一方で,これだけの業績を上げていることは十分に評価に値する.

2004年度の応募者は,いずれの方も,「最優秀研究者賞」候補にふさわしい研究業績と将来性を持っておられ,今後とも日本惑星科学会の中核となって活躍が期待できる方々でした.2005年度も秋季講演会での最優秀発表賞と年末締め切りの最優秀研究者賞を実施します.みなさんの積極的な応募をお願いいたします.

2005年6月20日

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