大学院理学研究科惑星学専攻は、組織規模はコンパクトながら地球惑星科学の諸分野を幅広くカバーしています。
平成19年4月、大学院自然科学研究科の改組により、数学・物理学・化学・生物学・地球惑星科学の５つの専攻からなる『神戸大学大学院理学研究科』が新たに設置されたのと同時に、惑星科学の拠点として研究を推進し若手研究者を育成することを目的に、『惑星科学研究センター（CPS）』が、理学研究科の付属センターとして発足しました。
さらに平成27年4月、専攻及び学科名を、地球惑星科学専攻、地球惑星科学科から「惑星学専攻」「惑星学科」（英語名：Department of Planetology）へ変更・改組しました。これにより、日本で初めての「惑星学専攻」「惑星学科」が誕生しました。我々の「惑星学専攻」はこの改組に伴い、以下のことに挑戦します。

• 地球科学・惑星科学・宇宙科学の融合
  「この星はなぜ地球なのか？」　地球・惑星・太陽系の進化を包括的にとらえる視点を持ち、この問いの答えを求めて進化を続けます。
• 海洋・宇宙立国をリードする人材の育成
  「見識を備えた有識者」と「独創的研究者」の育成をします。
• 地球・惑星の変動と進化を体感するカリキュラム
  地質学野外実習や海事研究科と連携した海洋観測実習等の実習を充実させます。
• 他の研究機関・大学・研究科との連携
  世界的な大型観測プロジェクトを主導する海洋研究開発機構、国立天文台、宇宙航空研究開発機構及び大学との連携により、国内における研究・教育拠点を形成します。
• 博士前期課程推薦入試制度の導入（H29年度より導入予定）
  意欲ある大学院生を歓迎します。

平成27年4月の専攻及び学科名の変更に伴い、講座・研究教育分野も再編しました。

＜教育研究分野とスタッフの研究対象・手法＞

• 基礎惑星学講座
  • 地質学　—地球表層の物質と刻まれた歴史から探る地球環境・生命の進化、火山、テクトニクス
    • 兵頭 政幸: 地球環境の進化、地磁気と気候のリンク、人類の進化・拡散の解明
    • 鈴木 桂子：野外情報に基づくカルデラ火山の噴火現象と形成機構の復元
    • 廣瀬 孝太郎：微細藻類とその化石群集を用いた古気候・古海洋の環境動態とそのシステムの解明
  • 岩石学・鉱物学　—始原物質の鉱物学的分析
    • 留岡 和重：太陽系始原物質の起源と進化に関する鉱物学的研究
    • 瀬戸 雄介：地球・惑星・太陽系構成物質の微細組織・構造に関する研究
    • 山崎 和仁：断層欠陥場における連続体力学、進化古生物学
  • 固体地球物理学　—観測データ及び数値シミュレーションを用いた地震発生メカニズム及び地球内部構造の解明
    • 吉岡 祥一：海洋プレートの沈み込みに伴う諸現象の定量的理解に関する研究
    • 筧 楽麿：地震波形データの解析及び数値シミュレーションによる震源での破壊過程の研究
  • 流体地球物理学　—地球・惑星の大気の構造に関する地球流体力学の理論・数値シミュレーションおよび惑星大気探査
    • 林 祥介：惑星表層・大気圏の多様性に関する理論・数値シミュレーション
    • 岩山 隆寬：回転成層流体の力学に関する理論
    • 高橋 芳幸：惑星大気数値モデルの構築と様々な惑星大気循環の数値的研究
  • 惑星宇宙物理学　—惑星系の起源に関する理論
    • 大槻 圭史：惑星および太陽系小天体の起源進化に関する理論研究
    • 春名 太一：代数的生命システム論における数値的研究
    • 末次 竜：巨大惑星周りの衛星系や小天体の起源進化に関する理論研究
  
  
• 新領域惑星学講座
  • 実験惑星科学　—太陽系の起源と進化、惑星・衛星・小惑星・彗星に関する実験的研究及び惑星探査装置の開発
    • 荒川 政彦：太陽系の起源と進化及び惑星の形成・進化に関する実験的研究（惑星衝突過程、宇宙雪氷学，宇宙衝突実験）
    • 保井 みなみ：火星氷床の流動過程および氷衛星の熱進化、テクトニクスに関する実験的研究
  • 観測海洋底科学　—地球物理学的観測に基づき、海洋底から固体地球のダイナミクスを探る
    • 島 伸和：地球物理学的観測による海洋底ダイナミクス
    • 廣瀬 仁：地殻変動データの解析によるスロースリップイベントのすべり過程の研究、「ゆっくり地震」に関する研究
    • 中東 和夫：海底地震観測データを用いた地球内部構造および地震活動に関する研究
  • 水惑星進化学　—地球を含む水惑星の形成、進化に関する観測的及び実験的研究
    • 巽 好幸：惑星進化におけるマグマティズムと水の役割
    • 中村 昭子：微惑星・小天体の起源と進化に関する実験的研究
  
  
• 連携講座（大学院)
  • 大気海洋環境科学　—地球及び他惑星の大気・海洋現象及び気候システムを支配する理の解明
    • 山中 大学（海洋開発研究機構）：地球及び他惑星の気候・環境変動に関する理論的・観測的研究
    • 荻野 慎也（海洋開発研究機構）：アジアモンスーンに伴う水、エネルギー、物質循環の観測的研究
  • 惑星地球変動史　—惑星地球の変動史・進化史の解明
    • 大橋 永芳（国立天文台）: 電波、赤外線を用いた星・惑星系形成領域の観測的研究
    • 末次 大輔（海洋開発研究機構）：地震波を用いた地球深部構造の推定
    • 杉岡 裕子（海洋開発研究機構）：海洋潮汐と固体地球の共鳴現象、振動現象の発生過程に関する研究

平成28年度 大学院理学研究科惑星学専攻 入試案内（2016年4月入学）

• 博士課程前期課程（修士）
  • 定員：24名
  • 入学試験日：平成27年9月2日（水），3日（木）
  • 入学説明会：平成27年度5月16日（土）13:00〜（申込不要）
    　　　　　　場所：神戸大学理学部Z棟201号室
  • 選考方法：
    TOEICの「公式認定証」に基づいた英語学力評価に加え、筆記試験「専門科目」と面接試験の二つの試験を課します。「専門科目」には、地球惑星科学の問題だけでなく、数学・物理学の問題があります。学部で地球惑星科学を学んでいなくても、数学・物理学で受験できます。
    各専門科目の出題範囲についてはこちらをご覧下さい。
  • 特記事項：筆記試験当日にTOEICの公式認定書を提出してもらいます。
  • 過去問題については、こちらをご覧下さい。
  
  
• 博士課程後期課程（博士）
  • 定員：7名
  • 入学試験日：平成27年度9月1日（火）
  • 選考方法：
    選考方法は、学力検査及び提出書類を総合して行います。 学力検査は，口頭試問・質疑応答を中心として行います。志願者は指導教員予定者と密接な連絡をとり，研究計画書を作成してください。