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2021年度最優秀発表賞 選考の結果と講評

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2021年度最優秀発表賞 選考の結果と講評

学会賞選考委員会委員長 中島 健介

今年度は11名の応募があり、2名は応募資格を満たさず、残りの9名を対象に予稿に基づく予備審査を行い9名全員を本審査対象としました。秋季講演会は昨年に引き続きオンラインでの開催となり、初日午前に特別セッションでの口頭発表、昼休みに選考委員との個別質疑を、いずれもオンラインで実施しました。これらに基づき同日夕刻に選考委員会と運営委員会で審議した結果、2021年度最優秀発表賞受賞者を紅山仁会員(東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター, 講演題目「木曽105cmシュミット望遠鏡 Tomo-e Gozen を用いた微小地球接近小惑星の高時間分解能撮像観測」)とすることに決定しました.

紅山会員は、CMOSセンサーを多数モザイク構成して高感度広視野動画撮像を行う「Tomo-e Gozen」に自ら開発した解析アルゴリズムを組み合わせて地球近傍小惑星を凖リアルタイムで発見するシステムを構築し、さらに発見直後から高頻度かつ高速の測光を行うことで、小惑星のサイズと自転の関係を従来より画期的に小サイズ側に広げることに成功しました。その結果、紅山会員は、小サイズの小惑星の自転角速度には上限があり、この上限値が岩石の「一枚岩」の強度から予想される値よりずっと小さいことを見出し、その説明として遠心力による破壊、他の微小隕石との衝突による減速など、これまで注目されていなかった機構を議論しました。現段階では理論的解明には至っていないものの、自らの観測と自ら開発したアルゴリズムを用いて最先端の惑星科学的情報を抽出し惑星形成の重要な素過程の存在を提示した明解な発表が高く評価され、紅山会員を本賞にふさわしいと判断しました。

全体を振り返りますと、受賞した発表の他にもレベルの高い発表が複数あり、選考委員会での議論は難航しました。受賞に至らなかった発表について今後に向けて敢えて難点をあげますと、科学的内容は優れているものの一つの発表として提示する材料の吟味が不十分で分かりにくかったもの、惑星科学全体の中で意義や今後の発展の提示が不足していたものなどがありました。紅山会員の研究についても、理論的考察をより深めること求める意見もあり今後の研究発展をさらに期待いたします。受賞に至らなかった応募者の方々も、資格があれば来年の最優秀発表賞への挑戦を、また学位を取得される方はさらに研究を積み重ねて最優秀研究者賞への挑戦を期待しています。

来年以降も、多くの方からの本賞への応募を歓迎いたします。なお、新人の方は、くれぐれも入会申請期限への留意をお願いします。

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