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秋季講演会過去の予稿集

最優秀発表賞選考経過の講評

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選考経過の講評

選考委員会委員長 野村 英子

今年度は12名の応募がありました.本審査可能枠の応募数を超えたため,予稿に基づいて予備審査を実施し,10名を本審査対象としました.キャンセルの1名を除いた9名が発表をおこない,それを8名の審査員が審査しました.秋季講演会初日(11月12日)午後に,最優秀発表賞セッションでの口頭発表と,選考委員向け質疑応答(疑似ポスター発表)をオンラインで実施しました.そして,発表日同日に開催した選考委員会,および翌日に開催した運営委員会において審議した結果,2020年度最優秀発表賞受賞者は吉田辰哉会員(北海道大学,講演題目「還元型原始地球大気の流体力学的散逸」)とすることに決定しました.

吉田会員は,多数の分子線を詳細に扱った放射冷却過程や光化学過程を組み込んだ流体力学的大気散逸モデルを自ら構築し,それを用いて,原始地球の還元的初期大気の散逸過程におけるメタンの影響を調べる研究について発表しました.吉田会員はこの流体力学計算に基づき,メタンおよびメタンが光分解して生成されるCHやCH3の放射冷却により,大気散逸が制限され,原始地球表層において還元的環境が数億年持続した可能性を示す,大変興味深い結果を得ています.本研究は,原始地球における有機物生成への影響という発展性もあり,包括的で優れた研究と高く評価されました.また,吉田会員がこれまで行ってきた火星大気研究と合わせた比較惑星学の研究など,今後の研究に期待する意見もありました.発表時間の超過など発表技術上の問題点に関する指摘もありましたが,自分の研究に対する主体性,理解度,質疑応答の的確さの点で高い評価を受けており,選考委員会はこれらを総合的に考慮して,吉田会員は本賞にふさわしいと判断しました.

今年は修士課程の院生の応募が多かったにも関わらず,応募者の発表レベルはいずれも大変高く,今後が大いに期待できるものでした.今年はオンライン開催となり,身振り手振りを交えた発表はできず,難しい面もあったと思いますが,それにも関わらず,伝わる発表を披露してもらいました.残念ながら今回は受賞には至らなかった方々も,今回の発表で得た経験を糧に,研究にさらなる磨きをかけていただきたいと思います.そして,来年度以降も資格がある方は,是非,発表賞に再挑戦していただきたいと思います.

来年度以降も,多くの学生会員からの応募を歓迎します.

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