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最優秀研究者賞選考経過の講評

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選考経過の講評

2018年度選考委員会委員長 田中 智 (宇宙航空研究開発機構)

日本惑星科学会2018年度「最優秀研究者賞」は、2019年2月に応募受付を始め、3月25日に応募を締め切りました。応募者は7名でした。

応募者7名について、惑星科学への寄与、将来にわたって惑星科学会の中核となって活躍が期待できるか、研究の独自性・独立性、学会での参加・発表、論文数、掲載雑誌、引用数などの観点から審査を行いました。応募書類に対する精査の後、4月25日、全選考委員が参加しての審議を行いました。最終段階で2名の候補者に絞り込み、審査委員による記名投票においても同票数であったことから優劣はつけられないと判断し、次の2名の方を受賞候補者として選び、運営委員会に報告し承認されました。

受賞者 (50音順)

  氏名: 黒川 宏之(くろかわ ひろゆき)
  所属: 東京工業大学地球生命研究所 研究員
  候補者についての推薦書執筆者:中本 泰史(東京工業大学)

  氏名: 瀧川 晶(たきがわ あき)
  所属: 京都大学白眉センター/大学院理学研究科 特定助教
  候補者についての推薦書執筆者:橘 省吾(東京大学)

以下に,選考委員会による評価等を紹介します.

黒川会員についての講評:

黒川さんが最も評価された点の一つは、系外惑星の形成と進化、地球型惑星の大気と水の進化、そして月•惑星探査への積極的な参加、と非常に幅広い視野をもち、これらの多岐にわたる研究成果をそれぞれ専門誌に査読付き論文として発表されている点にあります。 研究範囲が多岐に及んでいるとは言え、観測的な実証データを的確に把握し適切なレビューを踏まえて、必要な数値モデルを対象に当てはめて諸問題を解決するに至るスタイルが確立されています。また、その惑星科学に対するインパクトも重要かつ将来の実証可能性を示唆する魅力的なものでした。

また学生指導を熱心に行い,すでに論文発表に至る成果を挙げている点、はやぶさ2、MMXといった日本主導の惑星探査計画に積極的に参画している点など惑星科学会への貢献も高く評価されました.今後の惑星科学会を牽引していただくことを大いに期待します。

瀧川会員についての講評:

酸化アルミニウムダストの形成と進化を鍵として「太陽系原材料の形成」を軸に太陽系と銀河系を繋ぐという独創的な研究スタイルおよびと着実な成果が高く評価されました。太陽系で最初期に形成された物質に含まれる酸化アルミニウムが経験した素過程を調べることは、太陽系の歴史を調べる上で重要であります。そのアルミナの凝縮蒸発実験で得られた結晶構造、結晶成長の鉱物学的な結果を踏まえ、赤外分光理論、さらに観測実証までを実現させてその存在を突き止めるまでの完結された一連の研究を、通常のような共同研究として役割分担をしての成果ではなく、瀧川さん自身が主導して結果を出されたのは非常に高い能力と意欲の結果でしょう。

このような多角的な手法を研究に取り入れる姿勢は,複合複雑科学の進展のために不可欠であり,これからも惑星科学会員を大いに刺激してくれることを期待します。

最後に、今回の選考において選出されなかった研究者についても非常に魅力的でかつ重要な科学的成果を創出されていることに関しては優劣をつけることはできないことを付言させていただきます。

2019年9月30日

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