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トップページ > ニュース > 学会賞 > 最優秀研究者賞選考経過の講評

選考経過の講評

2012年度選考委員会委員長 林祥介(神戸大学)

日本惑星科学会2012年度「最優秀研究者賞」は2012年12月に募集要項を公表し,2013年2月に応募受付を開始しました.2013年3月21日に応募を締め切り段階で5名の方より応募がありました.

5名の方について,研究業績,惑星科学への寄与,将来にわたって惑星科学会の中核となって活躍が期待できるか等を審査し,2013年5月7日に審査委員が集まって議論しました.各委員の意見や投票等の総合的な評価を行なったところ,成田憲保(なりたのりお)会員を最優秀研究者賞受賞者とすることになりました.

受賞者

  氏名: 成田 憲保(なりた のりお)
  所属: 国立天文台 太陽系外惑星探査プロジェクト室
  候補者についての推薦書執筆者: 生駒 大洋(東京大学大学院理学系研究科)

以下に,各受賞者のご自身および審査委員による評価等を紹介します.

成田会員は,太陽系外惑星のトランジット観測を行なうことで,系外惑星の形成や軌道進化の理解に実証的に迫る研究を行なってきました.なかでも,主星近傍の巨大ガス惑星観測を数多く行ない,逆行惑星を世界で初めて発見したこと,軌道面が大きく傾いたガス惑星を数多く発見したことは,世界的にも高い評価を受けています.さらに,このような逆行惑星が,古在機構の影響を受けて軌道進化したことを観測的に明らかにしています.このように,これまで理論が先行しがちであった,巨大ガス惑星の形成や軌道進化という惑星系の構造を左右する本質的テーマに対して,観測的制約を与えるという非常に重要な研究を行なってきました.近年では,スーパーアースの大気組成に関する観測的研究でも成果を挙げています.特に,大気透過スペクトルの多波長同時観測を行なったことは世界的にも独自性が高く,太陽系には存在しないスーパーアースの起源や大気組成を制約する重要な観測情報をもたらしています.今後は,惑星形成論のみならず,系外惑星の大気や表層環境の理解に対して,観測と理論の強いリンケージを構築してくれることが期待されます.

こうした論文の質および国際的評価に加えて,学会賞選考委員会は,成田会員が

  • 日本におけるトランジット観測の先駆者として,日本の系外惑星研究の幅を広げ,競争の激しい当該分野において国際競争力を強化した点
  • 大型研究計画のリーダーとして,プロジェクトの立案から実行,それを成果として発表する過程において,非常に高いパフォーマンスを示している点
  • 大学院生など後進の指導にも尽力し,学会の枠を越えた若手研究者の交流の場を構築するなど,今度の惑星科学の発展につながる活動を行なっている点
  • 惑星科学会においても,今後ますます重要性が増していくであろう系外惑星学という分野において,惑星科学と天文学の有機的なかけ橋となり,当該分野のみならず惑星科学会全体を牽引するリーダーの一人となることが期待できる点

を特に高く評価しました.このように研究業績と研究者としての資質と将来性の高さから,成田憲保会員を2012年度日本惑星科学会最優秀研究者賞の受賞者に決定いたしました.

2012年度,惜しくも受賞に至らなかった候補者の方々も,最優秀研究者賞候補にふさわしい研究業績と将来性を持っており,今後とも日本惑星科学会の中核となって活躍が期待できる方々です.さらに研究業績及び学会における様々な観点からの寄与を重ねて研究者賞に再度エントリーして頂けることを希望します. 2013年度も2014年初めに締め切り予定で最優秀研究者賞を実施いたします.惑星科学会の若手研究者の皆さんには,最優秀研究者賞への積極的な応募を期待しています.

2013年6月1日

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