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トップページ > ニュース > 学会賞 > bestpr-2011 > 最優秀発表賞選考経過の講評

選考経過の講評

選考委員会委員長 佐々木 晶 (国立天文台)

 2011年度日本惑星科学会最優秀発表賞へは4名の応募があり,うち3名が学会で の発表を行いました.10月23日の最優秀発表賞セッションおよびポスターセッショ ンにおいて,口頭発表およびポスター発表を行いました.同日の選考委員会による 審査並びに運営委員会での審議の結果,藤谷渉会員(東大院・理)が受賞者に選ば れました.

 藤谷会員の発表論文タイトルは「隕石中の炭酸塩の年代測定から探る含水小惑星 の形成と進化」です.これまで炭素質隕石中の水質変成の結果として生成された炭 酸塩鉱物のMn-Cr年代が,CAI年代よりも古くなってしまうという問題点がありまし た.発表者は,SIMSを用いた炭酸塩鉱物のMn-Cr年代測定に最適化したカルサイト 標準試料を合成し使用することにより,この年代の矛盾を解決して,複数の炭素質 隕石中の炭酸塩鉱物の形成年代が,CAIより400-500万年後という同一の年代を 示すことを明らかにしました.また,天体の熱進化のシミュレーションも行っており, 炭酸塩生成のための天体サイズ,形成年代もあきらかにしています.このような, 重要な成果を挙げたことだけではなく,的確な質疑応答が評価されました.また, 指導教官との共同研究のなかで,発表者本人の貢献した部分を明確に述べている ことも評価されています.

 残念ながら今回受賞の対象にならなかった発表も,質の高いものでした.参考の ために,審査会で出た意見をいくつか紹介します.鎌田俊一会員の発表論文タイト ルは「月衝突盆地の長期粘弾性変形」です.億年スケールにわたる粘弾性体の時 間発展を効率よく計算できるプログラムを開発し,月探査「かぐや」の重力・地形 データにもとづき月衝突盆地の地形緩和に適用することで,月の表裏で深部まで 温度構造が異なっていたことをつきとめ,さらに初期熱進化を規定する熱源の分布 にも制約を与えたことが評価されています. 松本侑士会員の発表論文タイトルは「平均運動共鳴軌道における惑星系の軌道安定 時間に対する臨界惑星数について」です.発見されている系外惑星系で,共鳴軌道 状態のものがなぜ少ないかという重要な課題に対して,一見安定な系でも惑星数が 増えると共鳴から外れた軌道になる点を着目し,惑星移動の速度を制約するという 重要な研究を行ないました.

 発表賞の今後について,選考委員会や運営委員会では様々な議論を行いました. 若い会員の研究活動を奨励する活動は続けていくべきであるという意見が多く,現 行の賞金を維持して,今後も行っていくことになりました.学年や応募経験の有無 にかかわらず,来年度以降も多くの学生会員からの応募を歓迎します.

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