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トップページ > ニュース > 学会賞 > 2005 > 最優秀研究者賞選考経過の講評

選考経過の講評

2005年度選考委員会委員長 土`山明 (大阪大学)

2005年12月に応募を開始しました日本惑星科学会2005年度「最優秀研究者賞」には,2006年2月8日の応募締め切り段階で,3名の方が応募されました

今回は応募者が3名であったため,一次審査を行なわず,この3名について,研究業績,惑星科学への寄与,将来にわたって日本惑星科学会の中核となって活躍が期待できるか等を,詳細に審査し,2006年5月13日に選考委員が集まって議論の後,投票で1名の候補者を選びました.その結果は運営委員会に報告され,第64回運営委員会によってその候補者が受賞者に決定されました.

受賞者氏名:  橘 省吾 (たちばな しょうご)
  所属 :  東京大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻
 候補者についての意見書執筆者 :  永原裕子(東京大学大学院理学研究科)

審査委員による評価の抜粋(一部加筆)を以下に列挙して,橘会員の紹介とします.

橘会員は研究の手段として,蒸発実験やそれに必要な鉱物合成,EPMAやSEMによる組織観察や化学分析,質量分析計による同位体分析,さらに太陽系星雲の進化と実験結果を結びつけるためのモデル計算,という多様な方法を駆使し,それらを有機的に結びつけ,独創的な研究を進めてきています.それぞれの分野において,指導あるいは共同研究にあたった研究者のすべてが,その理解力と精度・確度の高さ(腕のよさ)について,これまで教えただれよりも優れていると絶賛しており,その結果が独創的かつ信頼性の高い研究の展開を支えています.研究内容は年とともにそのカバーする領域を広げ,惑星科学にとどまらず,天文学から地質学の分野にまたがっています.国際学会において多くの発表をおこない,世界中の多くの研究者の高い評価を受け,その知名度はすばらしいものがあります.

  • 消滅核種60Feの存在をコンドライト中に初めて見出した.その同位体初期組成から,この元素の起源が超新星であることをつきとめ,前太陽系物質が太陽系にもたらされた証拠を初めて示した.この発見は惑星科学のみならず,天文分野に大きな反響を呼んだ
  • コンドリュール中のSの同位体組成を測定し,S同位体分別をおこさない条件を満たすためには,加熱速度が1万-100万度/hrという瞬間加熱であることが必要であることを示した.コンドリュール加熱に対し,初めて制約を与えたことの意義は大きい.
  • ガス存在下で金属鉄の蒸発実験をおこない,蒸発速度と同位体分別係数の圧力依存性を初めて確かめた.この結果,従来の星雲中での加熱現象における元素同位体分別のモデル化が誤りであることが明らかとなった.
  • コンドリュールについて,形成年代がCAI形成後100万年から250万年の間に,そのMg/Si比が小さくなることを見出した.この結果,コンドリュールの成因が星雲の進化と密接に関係することが示された.
  • 不一致蒸発する鉱物(エンスタタイト,FeS)の蒸発実験をおこない,そのカイネティクスの理解と蒸発速度の決定をおこなった,これを基に,太陽系集積過程における固体粒子の移動にともなう元素分別を検討し,エンスタタイトがMg/Si分別の原因となりうることを指摘した.
  • 実験室における標準鉱物の赤外分光測定は,宇宙塵の赤外観測の解析に必要不可欠である.これに必要な鉱物の合成をおこない,多くの貴重なデータの提供を可能とした.

これらの研究結果ならびに研究経歴は際立ったものであり,日本惑星科学会において同年代あるいはより若い年代層に対して果たす先導的役割は多大なものです.今後のリーダーシップという点においても大きな期待をいただかせます.

2005年度の応募者は,いずれの方も,「最優秀研究者賞」候補にふさわしい研究業績と将来性を持っておられ,今後とも日本惑星科学会の中核となって活躍が期待できる方々でした.2006年度も秋季講演会での最優秀発表賞と2007年始めに締め切り予定の最優秀研究者賞を実施します.みなさんの積極的な応募をお願いいたします.

2006年9月13日

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