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トップページ > ニュース > 学会賞関係のアナウンス > 選考経過の講評

選考経過の講評

2003年度選考委員会委員長 向井 正 (神戸大学)

昨年10月に応募を開始しました日本惑星科学会2003年度「最優秀研究者賞」へは,12月31日の応募締め切り段階で,10名の方が応募されました.

応募要項の応募方法の3(自薦の場合は、候補者について意見を述べられる方からの意見書を別便で期日までに届ける)の条件を満たせなかった2名を,受付段階で不受理としました.残りの8名の方について,一段審査(論文審査)を行い,1月末までに候補を3名に絞りました.2月に入って,この3名について,研究業績,惑星科学への寄与,将来にわたって惑星科学会の中核と成って活躍が期待できるか等を,更に詳細に審査を行い,3月始めに審査委員の投票で1名の候補者を選びました.その結果が,運営委員会に報告され,第52回運営委員会(書面による)によってその候補者が受賞者に決定されました.

受賞者氏名:  小久保英一郎(こくぼえいいちろう)
  所属 :  国立天文台理論天文学研究系 助手
 推薦者 :  井田茂(東京工業大学)

審査委員による評価を以下に列挙して,小久保氏の紹介とします.

  • 惑星系に関するN体計算の仕事は勿論,その道具の一つであるGrape計算機の開発にも関与してきたこと,研究成果を広い分野に広めたこと,後輩研究者の指導にも熱心なことを評価します.
  • 業績,学会への貢献において非常に高く評価できます.N体計算による固体惑星集積過程や月形成過程のシミュレーションの論文は,それぞれの過程の標準モデルを提示したとも言えるもので高く評価できます.年齢的に最後のチャンスでもあることも勘案しました.
  • N体計算による惑星系形成・月形成の研究を極めて精力的に行っている. GRAPEがあったからこそ出来た研究という見方も出来るかも知れないが,月の形成・惑星系の diversity(「ボーデの法則」以来の課題とも言える)という重要な問題にGRAPEを十全に活用して正面からアタックする姿勢,および,確実に積み重ねてきた実績に関しては批判の余地が無いだろう.また,GRAPEについては,単にユーザーとして関わっているのではなく,もともとは銀河・球状星団などの重力多体問題用であったGRAPEの計算精度を高めて惑星形成に適用可能にするコンポーネント(HARP)の開発においても,寄与をしていること も見逃せない.

    さらには,月形成の計算結果をビデオにして一般に公開するなど,広報活動にも意欲的に取り組み,惑星科学の存在を一般に認知にさせる上で大きく貢献している.

    現在のところ,彼自身は同位体など物質科学と関わった研究を共著論文などとして手がけているわけではない.しかし,惑星・衛星系全体の形成論という,彼の中心テーマは,共著論文という枠組みを越えたところで刺激を与え,広く惑星科学全体と相互作用するものである.

    年齢は制限の上限であり,「若手」と称するにふさわしいかは、わずかに疑問がある.しかし,年齢に十二分以上にふさわしい実績を挙げており,その意味で若い研究者たちにとって一つの目標として恥じないことは確かであり,「最優秀研究者賞」にふさわしい.

  • 小久保氏による月を含む惑星形成の大規模計算機シュミレーションは,これまで望まれていたことだが,氏により大いに発展させられているといえる. また氏は,シュミレーション結果を注意深く考察し,形成理論を展開している.氏の研究と,最近の系外太陽系の観測例とがあいまって,惑星の誕生進化の解明が加速度的に進展する時代になったといえよう.今後の氏の研究が、新たな展開も含め、期待される.

2003年度の応募者は,いずれの方も,第1回の「最優秀研究者賞」候補にふさわしい研究業績と,将来性を持っておられ,今後とも日本惑星科学会の中核となって活躍が期待できる方々でした.2004年度も秋季講演会での最優秀発表賞と年末締め切りの最優秀研究者賞を実施しますので,みなさんの積極的な応募をお願いいたします.

2004年5月14日

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