2023年9月7日、宇宙航空研究開発機構は、小型月着陸実証機 SLIM (Smart Lander for Investigating Moon)の打上げに成功したことを発表しました。
SLIMは、誤差100m以内のピンポイント着陸技術の実証をめざしています。この技術を実証することで、我々人類が進める重力のある天体の探査は、従来の「降りやすいところに降りる」探査ではなく、「降りたいところに降りる」探査へと非常に大きな転換を果たします。また、着陸に必要な装置の軽量化も実現しており、今後の月惑星着陸探査の高頻度化に貢献してくれることでしょう。さらに、月のマントル物質が露出していると考えられる傾斜地に二段階着陸技術を初適用して着陸し、月の起源を探る観測や小型ローバーの実証も行う計画です。将来の月探査だけでなく、重力のある天体の探査への扉を大きく開く成果があがることを期待いたします。
日本惑星科学会にはその発足時から月を研究対象とする会員が多数在籍しています。 SLIMの開発にも本会会員が関わり、ミッションを支えてきました。 日本惑星科学会は日本初となる月面への着陸の成功を祈念しております。