2019年10月8日,Michel Mayor博士(ジュネーブ大学・スイス)とDidier Queloz博士(ジュネーブ大学・スイス,ケンブリッジ大学・英国)のお二人は,「太陽型の恒星を公転する系外惑星の発見」という研究業績が評価され,2019年のノーベル物理学賞を受賞されることになりました。日本惑星科学会は,お二人の受賞を心よりお祝いします。
お二人が1995年に恒星まわりの系外惑星の発見を発表して以来,4000を超える多様な姿の系外惑星が発見されています。これらの系外惑星の発見は,1995年以前の「太陽系以外の惑星系が存在するとしたら,それは太陽系に似た姿をしているはずである」という宇宙観から,「惑星系は多様であり,しかも宇宙にありふれている」という宇宙観への転換を促しました。人類の宇宙観を転換するような研究は稀であり,お二人による研究成果は真に高い科学的価値を有するものです。
私たち日本惑星科学会も,系外惑星の多様性とその起源の解明を大きな目標の1つとして日々研究に取り組んでいます。私たちは,系外惑星研究の扉を開かれたお二人に敬意を表するとともに,「ここは何処で私は誰か」という問いの解明に今後も邁進する所存です。
なお,今年は「物理的宇宙論における数々の理論的発見」に寄与されたJames Peebles博士(プリンストン大・米国)もノーベル物理学賞を受賞されました。現代宇宙論の構築に大きく貢献されたPeebles博士の受賞も心よりお祝いします。