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「あかつき」の金星周回軌道投入失敗に関する声明
2010年12月10日 「あかつき」の金星周回軌道投入失敗に関する声明日本惑星科学会
2010年12月8日、宇宙航空研究開発機構は、金星探査機「あかつき」が 12月7日に金星周回軌道投入マヌーバ(VOI-1)を実施したものの、不具 合によって金星周回軌道へ投入できなかったことを発表しました。金星 を目前にしながらあと一歩の段階で成功を逃したことは誠に残念であり ます。 「あかつき」は、謎に包まれている金星大気循環の様態とその仕組みを 多波長撮像や掩蔽観測によって明らかにすることを目的とする金星周回 探査機であり、金星のみならず地球大気の循環過程や地球環境の成り 立ちの理解にも波及する高い科学的価値を持つデータの取得を目指して います。さらに、惑星周回技術を我が国で初めて獲得する期待を担って きました。日本惑星科学会員は、計画立案や機器開発、対外発信などへ の協力を通じ、「あかつき」ミッションに携わってきました。 まずは、今回の軌道投入失敗の原因を精査し、再投入も含めた今後の ミッション計画を再構築すべきです。さらに,直接的な原因に加えて、 少数しか生産されない宇宙部品の品質管理の問題、管制を的確に行う ための地上アンテナの整備の必要性など構造的な課題も、今回のトラ ブルを機に検討されるべきと考えます。 日本惑星科学会は、「あかつき」のリカバリに向けた努力を支持すると ともに、さまざまな手法と対象を持つ研究者のネットワークを活かして、 大型プロジェクトを支える多様な人材の確保やシステマティックなイン フラ整備の必要性を踏まえつつ、持続的な惑星探査の推進に貢献する 所存です。 |
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