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トップページ > ニュース > 学会からお知らせ > 2008 > 2008-10-21 > 宇宙基本法に関する声明文

宇宙基本法に関する声明文

2008年10月21日

声明文

日本惑星科学会   

 宇宙基本法が2008年8月に施行され、宇宙開発戦略本部により宇宙基本計画の策定が進められています。宇宙基本法では、先端的な宇宙開発利用の推進及び宇宙科学について、その振興(第5条)と、それに関する学術研究等を推進するために必要な施策を講ずること(第18条)が謳われています。

 日本の宇宙探査は、アメリカ・ヨーロッパに続く第3極として発展し、ユニークで画期的な科学的発見をいくつも生み出してきました。小惑星探査機「はやぶさ」や月周回衛星「かぐや」は、質の高い科学成果を出すとともに、それらの撮影した美しい映像が国内外に広く配信され、深い感動を生んだことは記憶に新しいところでしょう。宇宙探査の精華は世界中に浸透し、かけがえのない地球に棲む人類が共有できる夢を育んでいるのです。

 日本惑星科学会は、宇宙科学の進歩に惑星科学という軸を通じて貢献し、その平和的応用及び普及によりこうした夢の継承に資する立場から、宇宙基本計画の策定においては、科学者コミュニティの意見を十分に汲み上げ、先端的な宇宙開発利用及び宇宙科学に関する学術研究の意義を的確に位置づけ、その推進にふさわしい体制と施策を計画の中に明確な形で盛り込むことを強く要望します。その際、特に留意されるべきは以下の点と考えます。

  1. 先端的な宇宙開発利用の推進には、宇宙環境の理解を深め、必要な先端的な技術開発に取り組み、各種科学探査を遂行する等、太陽系科学をはじめとする宇宙科学の持続的な展開が不可欠です。先端的な科学探査を持続的に推進できる基本計画とすべきです。
  2. 特に月惑星探査は、「はやぶさ」や「かぐや」等により、国際的評価も高い科学成果を上げつつありますが、その基盤はまだまだ脆弱なため、強化を図る施策が求められます。基盤充実には、理学と工学の一体的な連携により、基幹技術の信頼性を更に向上させるとともに、目的天体や科学目標に応じた革新的な技術開発への挑戦が欠かせません。大きな目標の達成に向けて、リスクの高い探査も採るマネジメントが必要だと考えます。
  3. 宇宙科学の成果は、広範な学術分野に刺激を与えるとともに、技術面を中心に経済社会や国民生活にまでその恩恵が及んでいます。この波及範囲の広さは、様々な極限条件の下でも極めて高い信頼性の基準を追求することによって培われた宇宙科学技術の先端性に依っています。宇宙開発利用の長期的ビジョンの中に、高い科学目標を掲げた野心的な探査を計画的に配置していくことで、この先端性の持続を図ることが肝要でしょう。
  4. 宇宙探査実施機関においては宇宙科学推進組織を明確にし、大学共同利用システムを充実させるとともに人事の流動性を高める必要があります。科学探査プロジェクトの選定は科学者集団を中核とする自律的で透明性の高い委員会に委ねるべきだと考えます。
  5. 宇宙科学の発展には、活力と多様性を維持することが大切です。企画・立案に参与する研究者コミュニティの分野の質を高め、幅を広げていくべきです。分野を限らず、基礎的な研究開発予算を競争的に配分して、宇宙科学への参画を促すことが有効でしょう。
  6. 宇宙科学の予算・人材の拡充も急務です。特に宇宙基本法第22条にある教育の振興については、大学を中心とした人材育成プログラムに宇宙探査実施機関における大学共同利用システムを通じた現場教育を有機的に組み入れること等の工夫が求められます。そのためには宇宙探査実施機関に今後も教員を配置することが極めて重要だと考えます。
  7. 宇宙基本法第23条に宇宙開発利用に関する情報の管理が掲げられていますが、宇宙科学においては企画・立案から実施・成果開示まで情報公開の原則を堅持して、プロジェクトの健全性を担保するとともに人類の知的資産の拡充に資すべきです。

日本が、宇宙基本法の下、直截な国威発揚の競争ではなく、宇宙科学の探求という人類普遍の価値を正面に掲げることで、国際社会において名誉ある地位を占めることを切望します。また、そうした宇宙科学の推進について日本惑星科学会は積極的に貢献していく所存です。

(c)1999-2006 日本惑星科学会

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