PACK (Planetary Atmosphere Colloquium at Kobe-JSPS98)
の開催の御案内
10月12日(月)13:00〜17:30 神戸大学瀧川記念学術交流会館
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日本惑星科学会1998年度秋季講演会前日午後・同会場)
惑星大気の代表的な問題に関する以下の4件の講演を行う (講演時間は各50分とし, それぞれの後に10分程度の質疑討論の時間を設ける)
地球型惑星の大気の違いはどのようにもたらされたのか? 過去の地表環境は現在とは異なっていたのであろうか? 地球型惑星の表層環境の決定機構, その安定性・変動性については未知の点が多い. このような問題について概説したい.
(参考文献) はしもとじょーじ・阿部豊, 1998: 金星大気・地殻の化学相互作用. 遊・星・人, 7, 109-114.
金星大気は, 固体部分の自転の60倍にも達する速度で回転している. 色々の興味深い理論が提出されているのにもかかわらず, このスーパーローテーションを生成するメカニズムは, 現在でも完全には解明されていない. この生成のメカニズムを最近の我々の研究も踏まえて議論する.
(参考文献) 松田佳久, 1998: 金星大気の力学:大気のスーパーローテーションを中心にして. 遊・星・人, 7, 115-124.
火星大気圏は、大気散逸という形で惑星間空間プラズマに対して開かれ, 短い時間スケールでも固相とのやりとりで全量が大きく変化する. また, 大量に巻き上げられた塵が気象を支配する. この興味深い大気をまとう火星に探査機「のぞみ」でどう迫るか, 議論する.
(参考文献) 今村 剛, 1998: 地球型惑星の大気循環に大気微量成分の観測から迫る. 遊・星・人, 7, 102-108.
近年, SL-9彗星の衝突やガリレオによる探査など, 木星大気をめぐる話題は豊富だったが, 大気深部の様相は依然として明らかになっていない. では方向を変えて, 数値モデル実験からはどの程度の事が言えるだろうか?
(参考文献) 中島健介, 1998: 木星の大気構造と雲対流. 遊・星・人, 7, 134-142.
現在または将来, 地球および他惑星の大気圏に関する基礎的物理学を本格的に研究する意志があれば, 一切の参加資格を問わない. (本会のみの参加費は無料; 事前の参加申込みも不要)