第三段階

第三段階パネル

第三段階パネルの状況を随時お知らせします.

パネル委員
["渡邊誠一郎 委員長"]
["向井 利典 委員"]
["芝井  広 委員"]
["川勝 康弘 委員"]
["田中  智 委員"]
第三段階活動方針

第三段階の主旨と進め方

第三段階セクション別分科会

第三段階セクション別分科会議事録

第三段階方針説明会(2012年8月3日 月惑星シンポジウム)
MCブラッシュアップ提案の報告会(第一回)(2013年8月5日 月惑星シンポジウム)
MCブラッシュアップ提案の報告会(第二回)
  • 日時 2013年9月24日 13:00-16:00
  • 場所 神戸大学CPSセミナー室
  • TV会議参加希望は事務局(decade_sec@wakusei.jp)まで連絡してください.
MC評価項目
  • 評価項目案についてのご意見は2014年1月21日に締め切りました.
  • 評価項目(最終案) 評価項目20140430.docx
MC最終案
第三段階パネル議事録
["日時"]
2013年4月2日(火)10:00から12:00
["開催場所"]
TV会議
["出席者"]
渡邊誠一郎,芝井広,向井利典,川勝康弘,田中智,並木則行,小林直樹,大槻圭史,出村裕英(記録)

(1)議題

  • フラグッシップミッション候補として提出されたミッションコンセプト(MC)3件についてコメント
  • 今後の予定

(2)提案MCへのコメント

  • 3MCに共通する要望
    • ロードマップの改訂:単発のミッションとしてではなく,その次の10年や海外ミッションとの協力・競争を見据えてロードマップを改定して下さい.年代学,生命探査,トロヤ群探査の成果は惑星科学にどのように反映され,その後の国内外での探査計画にどのように波及していくだろうか,が見えるような説明をして下さい.
    • それぞれのMCは期待される科学成果と技術的難易度やコストのバランスを説明して下さい.それぞれのMCに絞り込まれるまで,様々な議論があったと思われますが,その経緯やトレードオフを整理して下さい.フラッグシップミッションとして,コミュニティの賛同が得られるような説明を期待します.
    • 科学目標から機器仕様への要求をブレークダウンした表を作成して下さい.また,各機器の現状の技術レベルや,開発課題,開発のイメージを可能な範囲で補足して下さい.検討が進んでいない機器については,計画でも結構です.
  • 各MCへの質問・コメント
    • その場年代計測装置による月惑星年代学探査
      • SELENE-2が実現し先行するケースと,実現しない(または遅れる)ケースに分けて,科学目標やリスクとコストの評価を説明して頂きたい.例えば,SELENE-2が実現し先行するケースでは,重ねて月探査を提案する科学的価値を他分野にも説明できるであろうか?もし,SELENE-2が実現しないケースでは,初めての着陸実証のリスクを担うことになり,コストにも大きく影響が出るだろう.
      • K-Ar測定において,求めたい精度を明らかにして欲しい.「10 %」の根拠は何か?それに応じてペイロードへの要求が変わるはずだ.
    • 火星着陸来・ローバー生命探査を主とする複合科学探査計画
      • 気象オービター,大気散逸オービターとの関連を明らかにして下さい.ロードマップを下敷きに,火星に向けて同時に3つのミッションが並立することの必要性,日本の探査の独自性を,他分野の研究者にも納得させることができるような説明をお願いします.
      • 着陸機〜地球間の通信の成立性について説明して下さい.
      • 観測機器の搭載重量の考え方を説明して下さい.60 kgのローバーのペイロードは高々数kgと予想されます.その中には,マニピュレータやスコップ,データ処理系など,科学観測に関わるすべての重量が納められる想定となっているでしょうか?
      • プラネタリープロテクションの検討結果について説明して下さい.汚染の評価を解析で行うのか,新たな施設を作って対応するのか,その方策はスケジュールや全体コストにも影響すると考えら得ます.
    • ソーラー電力セイル探査機によるトロヤ群小惑星および宇宙赤外背景放射観測
      • 同位体比観測のstrategyを説明して下さい.フライバイかタッチダウンか?ダストが小惑星周辺から採集できると考える根拠は?観測の原理は?などなどの追加説明をお願いします.
      • リモートセンシング観測機器の感度設定はどのように考えられているでしょうか?「はやぶさ」よりは太陽からの距離が遠い分だけ観測が難しくなると予想されます.
      • 到着まで9年かかるクルージングフェーズで行うべき科学観測と,9年間観測機器を保存させるリスクの評価を説明して下さい.
      • 観測装置のリストでは,必須の機器,オプション機器の区別を補足して下さい.
      • サンプルリターンは技術的にほぼ不可能と判断します.サンプルリターンを必要としないMCを立案して下さい.

(3)今後の進め方

  • 4-5月にMC毎にヒアリングを行う
  • 5月22日の連合大会でMCの紹介,議論
  • 6-10月に向けてフラグッシップミッションについてコミュニティで議論
  • 10月中にフラグッシップミッションについて方針決定
  • 11月の惑星科学会で最終報告
  • 9月頃からSGEPSSとの意見交換を始める
第三段階パネル議事録
["日時"]
2012年7月6日(金)16:00から18:00
["開催場所"]
TV会議
["出席者"]
渡邊誠一郎,芝井広,向井利典,川勝康弘,田中智,並木則行(記録),小林直樹,大槻圭史

(1)月惑星シンポジウムで説明する第三段階方針

  • 日時は未定(最低30分,プログラムが許せば60〜90分を要望している)
    • 8/3 PMを仮予定
  • これまでの進行状況と今後の予定(並木)
  • 第三段階方針説明(渡邊)
  • 3rd-first_circular-final.pdfからの変更点はなし
    • 大セクションの区別については,あえてキーワードとして挙げているのみ
  • 質疑
    • テーマの中身について質疑で議論し,8/3以後に確定させるどちらのセクションで議論したいかを再度アンケート(8/3以降に並木 A/I)
  • その他
    • 提案者からセクションを選ぶという意図が分かりにくかったという指摘があった.参加するセクションはパネル毎に指示されていると思っていた.
      • 月惑星シンポ内の説明会で改めて説明する
      • pdf内容に付いて各委員からコメントがあれば渡邊へ
    • 第二段階提案者には講演申し込みを推奨(〆切は調整可能)

(2)セクション別分科会

  • 日程確認
    • 9/14(金)月惑星の構造と進化の比較学 セクション
    • 9/15(土)生命に至る宇宙物質の進化学 セクション
  • 場所
    • 東大本郷で検討中(理3号館320号室):部屋のサイズについて確認(並木 A/I)
    • 最悪,千葉工大(津田沼:定員146)
  • 第二段階提案書+連合大会講演資料の公開を各提案者に依頼中(7/12まで)
    • 回答が集まり次第,公開
  • セクション分科会を進めるにあたってミッション選択における他分野での議論の進め方を聞いた(下記参照)
  • 準備方針を事務局が別途まとめて,回覧する(A/I)

(3)SGEPSSとの協力

  • 第三段階方針についてSGEPSS将来計画委員会,分科会への説明(6/20済み)
  • SGEPSS側の大まかなスケジュール
    • 10月20日まで 「科学目的・科学課題」の章の叩き台作成
    • 10月20日   SGEPSS秋学会の特別セッションにて叩き台を提示、議論
    • 10月20日以降 「科学目的・科学課題」の章のブラッシュアップ,および「必要な施策」の章に着手
      • 年度末     文書完成
    • 10月20日 SGEPSS秋学会の特別セッション(於 北海道大学)での講演依頼(6/21)
      • 予稿申し込み(2012年7月20日(金)17:00まで):並木が予稿を書いて回覧,講演申し込み(A/I)

(4)次回日程

  • 8/3月惑星シンポジウムでの特別セッション終了後

(5)その他

  • 「惑星科学の将来を考える会」を別途,企画中.7/24の予定
  • 惑星科学会秋季講演会で,第三段階の説明を行いたい.通常講演の時間を削らないように,昼休みなどの時間を使う.事務局がLOCと交渉する(A/I)

(参考)他分野での議論の進め方

  • 天文では赤外,X線,太陽,電波のそれぞれで事情は異なる.記憶に基づいて語るのであくまで参考として聞いてほしい.
  • X線天文
    • X線天文学の場合はトップ研究者のリードが大きかった.「てんま」,「あすか」,「すざく」の各ミッションで海外との協力を取り付け,ミッションの大枠を決めていた.卓見した研究者が世界を見て先導していたと記憶している.AstroHではコミュニティで2つの案について十分に議論し,一つに絞り込んだ.
  • 赤外天文
    • 「あかり」の場合は二つの案(あかりとして実現した全天サーベイとSPICAの原型的なもの)について,何度も議論した結果,赤外線の全天サーベイ観測を選んだ.後者はMVの打ち上げ能力では圧倒的な世界一にはなれないのではという判断であったと記憶している.若い人は「あかり」が実現したらこういうことができるということで研究分野を変えて集ってきた例もある.ミッションデータのユーザとなる理論・解析の研究者は意思決定に関してあまり関与していないが,何をやるのかの議論には参加していた(X線でも同様).
  • 太陽
    • 太陽に関してはコンパクトなコミュニティがある.SOLAR-Cでは2年くらい真剣に議論して1方に決めた.「ひのとり」は小田先生,田中先生,「ようこう」は小川原先生が取りまとめを主導しNASAとの交渉も行なっていた.
  • 天文研連
    • 学術会議天文学研究連絡会では10年に1度程度のペースで将来計画を立てている.今回は天文学の6つの分野において議論し,提案されたものをベースにまとめ上げようとしている.1994年には「あかり」,「すざく」,「ひので」,VSOP-2,ALMA,重力波,2010年には重力波,TMT, SPICAを挙げている.それぞれの分野で意見を集約し,全体討論会で議論をする.そこではどれも価値があるという結論を出すことになる.どのプランを実施するかは天文台や宇宙研で議論して選ぶことになる.
  • プラズマ
    • プラズマの分野では主導された西田先生は理論屋でありハードはあまり分っていなかった.しかし,やるべきことを持っていて周囲の技術を持っている者を焚き付けていた.将来計画の研究会には理論やシミュレーション屋も参加していた.データが取れて沢山論文を書いたのはむしろ彼らである.
  • 工学
    • 初期の時代は次のサイエンスを実現するためにロケットの能力を上げることに集中していた.MVの頃から変わって来た.出来ることが増えて工学もやりたいことが発散してきた.工学試験衛星では例えば「はるか」は大型パネルの展開技術,MUSES-Cはサンプルリターン技術の試験衛星だった.
    • 当時は科学衛星シンポジウムというのを開き理学,工学の研究者が50名ほど集い,そこで理学のニーズも聞いていた.
  • その他
    • ミッションは一生仕事になるので,研究室を上がり世界が見えて来た若い研究者が自分はこの先何をやるのかを考え直すプロセスにもなる.
    • 若い人は自分の研究が面白いので,それを止めて他の新しいことにはなかなか踏み込めないところもある.
    • 30代,40代は自分の面白いと思うミッションを提案し,その立場からの発言姿勢になるのが通例.50代になるとより広い立場で見渡しているよう.そのような役割分担と考えればよかろう.
  • セクション討論の進め方
    • 以上の他分野の経験を聞いて惑星科学の場合どのように議論を進めれば良いか?その際,工学要素が選択する上でも重要になると思うので,提案に対し工学的な見地でご意見を伺いたい.
      • 月着陸技術はSELENE-2で検討されており問題はなかろう,少し遠目の小天体も範疇にあると思う.エンセラダスやトロヤが境界であろう.しかし,大型・中型ミッションの場合,技術開発をしながら進められるので技術では決められないのではないか.
      • 工学でも皆が集うようなミッションは無い.提案されたミッションの個別の要素については面白がってくれる工学者もいるだろう.
      • 月着陸等の大きな技術課題は工学も積極的だが,これに理学が絡むと例えば月面を1000km走破してほしいという要求が上がり,工学との間にせめぎ合いが生じる.理学要求は工学者に重荷となってくる.
      • 工学者が面白がっているのは概念設計段階までではないか.頭の中でできると分ったら後はメーカーが作れば良いと思っている.実際,それではうまく進まないので理学が入るしかない.
    • 時間軸に各提案と装置を達成見込み時期を鑑みて並べて行くところから議論を始めてはどうか.
    • やはり,誰かが「こうしてはどうか」という案を提出するのが良いのではないか.
    • 第一工程のアウトプットイメージを作ることが大事.
    • 提案に対する考え方を示して考え方のコンセンサスを作るところから始めてはどうか.
    • 案を出すにしろ,そのためにも各提案について委員の突っ込んだコメントを聴く必要がある.8/3の説明会の後に集まって議論したい.
第三段階パネル議事録
["日時"]
2012年6月12日(火)16:00から18:00
["開催場所"]
TV会議
["出席者"]
渡邊誠一郎,芝井広,川勝康弘,田中智,向井利典,並木則行,出村裕英(記録),小林直樹,大槻圭史
  • 本日の議題
    • 連合大会のプレゼンの感想を聞いた上で今後のアウトプットのイメージの共有
    • 13提案の絞り込みの方針案についての議論
    • より広く惑星科学コミュニティに対する意見
  • 連合大会のプレゼンの印象
    • 面白いミッション提案もあったが実際に行なうとなると非常に大変そうだと感じた.もう少しうまくやって,大切に育ててやれるのであればやった方がよいと感じたものもあった.
    • 色々なレベルの提案が混ざっていた.検討の熟成度も,広がりも,枠組みも違っていた.しかし,選べと言われれば選べたと思う.分野外でもどれなら参加したいか区別は着いた.
    • 到達するだけでも大きなミッションにならざるを得ない.1点サイエンスだけではリスクが大きい,もう少し他の要素も組み合わせてはどうか.
    • 天文衛星とは異なり多くの人を巻き込むという観点では説得力が大きいかは難しい.海外ではインパクトのある単体ミッションであっても実施してきた.後発の日本でそのような考えが成立するか疑問だが.
    • ミッション全体の提案というよりサブセットの提案であったという点は認めるが,それだけでは十分では無く,ミッション全体の広がりを見せること,コーディネート済であることが意識されていなければならない.
    • システム的に成立しているかの検討が不十分であった.度肝を抜くものもあったが,やろうと思えば可能なミッションが多く競うべき候補達であると受け取った.惑星科学分野以外からも良いと感じられた提案もあって良かった.
    • 提案者は思った以上に考えているとポジティブな印象を持った.若手で中心的な役割を担う人材や素材が育ちつつあると感じた.それらを中心にどう組み立てて行くかのビジョンを早い段階で作ることが大事.第三段階の役割は大きい.
  • 手法も対象天体もバラバラの中でどういう切り口でどう繋げていくかが大切.提案数は多いが,複数の提案に関わっている方が多い,測器も似ている.そういう観点ではミッションの数を絞ることは可能であろう.
  • 火星,小惑星,外惑星という分け方は一つの考え方であるが全てが実現できる訳ではない.どういう考え方が良いか.
  • 小惑星は目的地が三つとも異なるのでシビアな議論になるが,火星の場合,全てを足し算すれば良くシビアな議論にならない.月と火星をまとめて本当にやりたいことは何かというシビアな議論をしてもらいたい.
  • 第一段階の議論を踏まえて提案がなされているはず.サイエンスとして重要なテーマを基に分かれているので,議論は収束しそうな気もするが平行線のまま終わる気もする.
  • 皆で議論して一番良いものを一つ選んでもらうことをしないと進まないと思う.
  • 野辺山の海部と森本の議論を思い出しながら話しているが,そちらの提案が面白い,そちらに乗りたいという形にならないとまとまらないだろう.
  • はやぶさ,かぐやで培った日本の特技を活かす方向でまとめてはどうか.即ち,はやぶさの流れで小惑星探査,かぐやの流れで内部構造探査,海外との協力で進める探査の3本柱である.
  • はやぶさ,かぐやのバトンがうまく受け継がれているのであれば,そういうまとめ方もあるが,バトンの受け渡しがうまく行ってないようだ.別の発想をしてはどうか.有機物から生命に結びつけるような始源的な小惑星探査をする枠組みと火星生命を結びつける.月の年代測定や内部構造探査は固体惑星の伝統的なアプローチ.その二つに分けてはどうか.そのどちらが良いかは次の段階であろう.これらの提案をシャッフルして若い世代がイニシアティブを取れる枠組みを作るべき.
  • それぞれの提案には面白い部分があるが,月惑星探査全体での位置づけで話されているものは無かったと思う.物理や技術やコストでもって区分けをすると物質探査から生命探査までロードマップが描けるのはでないか.今の提案は小さくまとまってしまっていると思うので,天体ではなく物理として共通の議論をするためにシャッフルすることは良いと思う.しかし,当事者だけでまとまるかは不安である.
  • 工学も巻き込んできちんと検討し直したい.今の段階ではどの天体に行くのかではなく,それぞれ何を明らかにするのか,何をするのがベストなのかを議論したい.
  • 第一段階に戻っているのではないか.
  • 第一段階のパネルの分け方からやり直す.視野を広げてシャッフルすることでお互いの物理を議論する場を作り直すのが良いのでそれを考えたい.皆で意識を共有したい.
  • 一つを選んだら他がソッポを向くというのは避けたい.選び方は慎重に進めたい.10~15年に一度のミッション機会をどう活かすか,どう考えるべきか.
  • 現在の提案の集まりを物理指向で分けるのは困難であろう.地質学というのは行き先に拘る点は否めない.普遍性は望めないのではないか.
  • 惑星科学では一つ選ぶと他の人が参加しなくなるのでしょうか.天文ではできなかったが,惑星科学は一人一人が自由にサイエンスをやって行ける環境にあるのですね.
  • 他に参加できるかは観測技術の共通化が無いと難しい.はやぶさ分析をする人を見るとサンプルさえ持って帰れば良い.そういう指向の人と本来の惑星科学の物理と結びつけられれば惑星科学は強くなれる.これを機会に繋がる流れになってほしい.
  • 提案者に分科会について尋ねたところ全員から参加したいと回答を得た.まとめていく,集約して行くという流れを感じている.
  • 自分の持っている技術・知識を用いて面白いことは何でもやるという意識があればまとめられるだろう.重力波天文学は高精度レーザー技術が鍵でその技術を持つ人が巻き込まれて広がった.広げるには今の人達だけに限らないであろう.
  • 分科会は4つも作って欲しく無い.せいぜい2つ.できれば1つ.細分化したら意味がない.
  • 生命と表面進化・内部構造の2つの柱を立ててはどうか.どちらに参加するかは選んでもらえば良い.
  • どちらのグルーピングかは別として目標を明確に伝えることが必要である.方針の説明案と月惑星科学シンポジウムでの説明会について事務局で準備して欲しい.
第三段階パネル議事録
["日時"]
2012年5月22日(金)18時から19時45分
["開催場所"]
TV会議
["出席者"]
芝井広,川勝康弘,田中智,向井利典,並木則行,出村裕英(記録),小林直樹,大槻圭史
  • 月惑星の来る10年では以下の二つの目的を置いている.

    • 目的1:理学WGに向けての補強・育成作業
    • 目的2:コミュニティ全体で押すプラン作り

    目的2についての活動状況を説明し,第三段階の進め方を議論したい.

  • どうして目的2から議論を始めるのか?
  • 事務局内,惑星科学会の運営員会の議論を通し自分達でやろうという雰囲気が生まれているので目的2から説明した方が分り易いと判断した.
  • 目的2の活動として以下の4つを進めている.第三段階では当初の目的であった実現性の評価に絞って進めてもらいたい.
    • 一つ目は運営委員会,総会で報告し惑星科学会内で問題を提起した.その場ではっきりした結論が出た訳ではないが,学会としてそういう取り組みが必要という観点は共有された.惑星探査だけではなく,惑星科学全体で探査を位置づける,将来計画委員会で考えることが確認された.ただ,提案者からは,一押しミッションにまで絞り込むというのは想定されていなかったので,受け入れがたいとのコメントもあった.
    • 二つ目は明後日行なわれる来る10年セッションの冒頭で,既にある宇宙理学委員会のプランだけでも今後の10年間に過去の10年間の実績の2,3倍の計画があるので,提案をまとめることや選択することは必ず必要になることを説明する.
    • 三つ目は第二段階提案者と第三段階委員が直接意見を交わせる場として新たにメーリングリストを立ち上げた.
    • その他,今後も事務局が主体となって目的2を達成するための活動を進めていきたい.
  • 最後のコミュニティの一押しミッションを事務局主導でまとめることは本当に良いことであろうか.コミュニティ全体が盛り上がってできるものであって事務局が造るものではない.
  • 事務局が選定するという意味ではない.
  • 米国のdecadal surveyは2年程度何十人も関わって議論した結果をNASAに対し勧告している.そうした作業を行うのが第一だ.
  • 観測技術あるいは探査地点に新規性が必要である.どちらにしろ極端な環境で実現することになるので,資金も時間もかかる.待っていればできるものではない.天文業界のように装置開発のために何十億もの資金を科研費で得ている訳でも無く,自分達が実現のために何をしているのか見えない中で何をしようというのか.
  • そうしたご指摘自体が惑星科学業界にとっては有益なものである.惑星業界に閉じていては見えにくい問題点を率直に伝えていただき,現在ある提案に対し教育的な指導をしていただき,そのいくつかを育てることを期待している.全ての提案を補強する時間は無いが,一番重要なものを一つだけでも良くしていくことに協力いただきたい.それを第三段階の目的としたい.
  • 実現性という点がすれ違ったままである.サイエンス,バスなどの議論以前に日本では10年に1回できるかどうかという問題がある.
  • 第二段階までの議論を通してサイエンスだけの議論で一つにまとめることは難しいと悟った.体制や技術面の問題であれば選択は可能であろう.その意味で実現可能性と呼んでいる.資金的な実現性を意味してはいない.
  • コストキャップのある小型ならともかく,大型はそれに合わせて技術開発も進めることができる.技術的に無理という足切りはできるが,実現可能性だけで順位付けをするのには疑問がある.
  • コミュニティ側で体制,資金が十分かを厳格に審査する必要は無かろう.どのみち足りないであろうし,宇宙理学委員会で厳しい判断がなされる.そこに注力しすぎると面白いものが育たない.
  • 現状は提案者が言い放しであり,競争や協力など実現までの努力がまだ足りていない.もっと先まで見込んだ道筋を共有する必要がある.10年後にどうなっていて欲しいのか.今年だけの仕事をしても何の役に立つのか分らない.米国のように2, 3年毎の更新を前提として10年後の姿をまとめてはどうか.
  • ロングスパンの議論の必要性は渡邊会長も認識しており,来る10年とは別の場で行うことにしたと理解している.学会の将来計画委員会では探査に限らない惑星科学のインフラや大学間連携を扱う.この10年パネルは将来計画委員会の下部組織である.来る10年としてはこの1年くらいで何らかのまとめや結論を出したい.
  • 第一段階では4つのパネルで大事な点を抽出することであった.網羅性はどうなっているのか?第一段階の目標設定と第二段階はかみ合っているのか?
  • 網羅性という観点では第一段階で挙げた全てが第二段階で拾い上げられている訳でない.網羅的に取り上げた中から選択したのが第二段階である.
  • 次回は第三段階のアウトプットのイメージを共有したい.そのアウトプットは第三段階で終わりでなく10年後のミッションを作るために選択も含めてどう進めて行くかのイメージも必要.提案者も含めた認識の共有が必要.また,予算リソースを制約条件に小型・大型・機器開発・海外ミッションとの相乗りをどう組み合わせて行くのか,シナリオが必要である.
  • 教育という点では過去の優れたWGの提案書を例に示せば,良い手本になるのではないか.こちらから細かく言う必要も無いであろう.現在の提案は2000年に作られたロードマップに乗っているものばかりであり,突拍子が無いものばかり.チャレンジングさは少なく面白くは無いが技術的な難易度は皆似たようなものである.であれば,大きなロードマップをどう描くのかが重要であろう.
  • WG提案書よりミッション提案書の方が学ぶべき点が多いであろう.
第三段階パネル議事録
["日時"]
2012年4月27日(金)13時から15時
["開催場所"]
TV会議
["出席者"]
芝井広,川勝 康弘,田中 智,渡邊誠一郎,向井 利典,並木則行(記録),小 林直樹,大槻圭史

(1)第三段階で期待される役割について

  • 第二段階までの経過説明(並木)
  • 実現可能性の評価について
    • 順位付けまでは必要ない
    • A, B, C程度の評価は,第三段階の意味をはっきりさせる上でも妥当であろう
  • 「月惑星探査の来る10年」の目的について
    1. 宇宙研理学委員会にWGとして申請するために足りない面をsuggestする(コミュニティ育成)
    2. 惑星科学コミュニティ全体が推すイチオシ大型探査を提案する,あるいは,そのような提案ができるようになる素地を作る
  • 上記の目的2.に関して,
    • 第二段階での提案は13ある.その中にはマージが可能な提案もあれば,類似のテーマで競合する提案もある.
    • 競合する提案を一つに「束ねる」ような進め方はすべきではない.
    • むしろ,一つを選んで,残り12グループが協力できる形になるのが望ましい.
      • (例)野辺山天文台建設に当たって,競合し合った二者が最後は一方に協力する形で収斂した.
  • 惑星科学コミュニティが一つにまとまりにくい背景
    • 惑星科学コミュニティは雑多な集団である(内部構造,物質科学,地質,…)
    • まだ
      1. 競合する提案を一つに収束させる文化,
      2. 不採択の提案者を脱落させない文化,が育っていない
    • NASA,ESAの動かす大型科学に張り合いたいと願うならば(惑星探査の原 点),多くの研究者が集まって目指すべきサイエンスのゴールがあるはずである
    • 惑星科学のbig pictureを収束させるために,コミュニティがまだ真剣な議論をしていない
    • 他分野から見て,惑星科学が一つのbig pictureを提示しきれていない点が大変不利に働いていることを提案者に伝えるべきだろう
  • 惑星科学コミュニティに「文化」を育むためのいくつかのヒント
    • 理学委員会でのWG設置では,
      1. 委員全員が面白いと思えることが重要な判断材料であり,
      2. WGが失敗すれば選んだ委員会も責任をとるという緊張感があり,
      3. 科研費申請書類のように部外者にも丁寧に説明すること,が求められる.
    • WGとして評価されるべき点は
      1. 期待される科学的成果,
      2. 関連分野へのインパクト,
      3. 開発体制(含むバス系),
      4. コスト,
      5. 開発スケジュール,である.
    • Big pictureを考えるに当たって,米欧の探査提案で不採択になった提案でも科学的に重要なアイデアが沢山ある
    • 太陽系探査ロードマップもbig pictureを絞り込む上で参考になるはず
  • 第三段階のゴールを明確化すべき

(2)第三段階委員長

  • 渡邊委員を選出.

(3)その他

  • A/I
    • 事務局は,コミュニティがbig pictureを再考する機運を醸すべく,具体的アクションを考える
    • 事務局は第三段階のゴールについて叩き台をつくり,メールで委員会に提示する
    • 第三段階委員は第二段階提案に目を通しておく
  • 次回会合,およびその後
    • 5/22 18時〜 千葉工大+TV会議
    • 議題:第三段階評価の方針(24日AMの「来る10年」セッションでの説明のために)
      • 渡邊委員長は欠席するので,事前にメールで主な議論を済ませておくこと
  • 次々回会合
    • 6/12 15:00-17:00 TV会議の予定
    • 議題:連合大会「来る10年」セッションでの各講演にもとづいて,評価方針を検討
Last modified:2014/05/04 14:16:50
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